自分のモノローグに浸っている文乃を現実に引き戻すように、「そういえば」と奏多が口を開く。
「七月入ったらすぐ中間考査が始まるよな。お前らテスト勉強終わったか?」
「もちろん。赤点取ったら夏休みまで強制授業参加なんて着物の仕立てが間に合わなくなるからね」
「俺も夏休み期間はコンサートやら演奏会で忙しいし。文乃も……文乃?」
中間考査?赤点?強制授業参加……?
そんなもの、知らないんですが。
世界の音が遠くなっていく。
奏多と紡が察したように気まずそうな顔をしているが、今の文乃に気にしている余裕はなかった。
聞いてない……知らない。
村田さぁぁぁぁぁぁぁぁん。
村田のせいにしている文乃だがこの後、奏多と紡に言われ気付く。
執事制度廃止の連絡を最後にしまい込んでいたタブレットに[中間考査について]連絡が来ていたことを。
*
文乃は自室でベッドと一体化していた。
出来ることならこのままベッドの一部になってしまいたい。
「文乃、お知らせ見てなかったんだね。ダメだよ、しまい込んだら。」
「だって……あのタブレットにいい思い出ないもん……」
「あー……」
そんな可哀想な目でこちらを見られてもどうしたらいいかわからない。
「なんだよ?そんな落ち込んで。考査まであと四日はあるんだから頭に叩き込めばどうにかなんだろ」
「それは……」
無理でしょう。
そもそも、文乃は不登校だった中学での学習内容がまるまる抜けている。
四日でどうにかなる話ではなかった。
「奏多、文乃にも色々あるんだ。自分の物差しに人を当てはめるのは違うよ」
「っ俺は、良かれと思って……」
「その良かれが相手のできることとは限らないだろ」
「……」
奏多は何言わず黙っていた。
自分のせいで空気が悪くなるのは耐えられない。
どうにかしようとベッドから起き上がり、必死に考える。
「あ、い、いいの!二人ともありがとう……今回考査は諦めて、強制授業受けてくるよ」
言葉とは反対にボロボロと目から涙が流れ出た。
怖いよぉ……
奏多と紡以外のクラスメイトがいたらどうしよう……。
才能特化クラスに学年はあれど、教室は分かれておらず、上級生も赤点を取ると同じ教室で授業を受けると紡から聞いた。
基礎学力があれば問題ない、というのがステラの方針でその学力さえなければ強制授業。
「うう……」
引きこもっていても、勉強くらいはしておくべきだったと文乃は深く後悔した。
「七月入ったらすぐ中間考査が始まるよな。お前らテスト勉強終わったか?」
「もちろん。赤点取ったら夏休みまで強制授業参加なんて着物の仕立てが間に合わなくなるからね」
「俺も夏休み期間はコンサートやら演奏会で忙しいし。文乃も……文乃?」
中間考査?赤点?強制授業参加……?
そんなもの、知らないんですが。
世界の音が遠くなっていく。
奏多と紡が察したように気まずそうな顔をしているが、今の文乃に気にしている余裕はなかった。
聞いてない……知らない。
村田さぁぁぁぁぁぁぁぁん。
村田のせいにしている文乃だがこの後、奏多と紡に言われ気付く。
執事制度廃止の連絡を最後にしまい込んでいたタブレットに[中間考査について]連絡が来ていたことを。
*
文乃は自室でベッドと一体化していた。
出来ることならこのままベッドの一部になってしまいたい。
「文乃、お知らせ見てなかったんだね。ダメだよ、しまい込んだら。」
「だって……あのタブレットにいい思い出ないもん……」
「あー……」
そんな可哀想な目でこちらを見られてもどうしたらいいかわからない。
「なんだよ?そんな落ち込んで。考査まであと四日はあるんだから頭に叩き込めばどうにかなんだろ」
「それは……」
無理でしょう。
そもそも、文乃は不登校だった中学での学習内容がまるまる抜けている。
四日でどうにかなる話ではなかった。
「奏多、文乃にも色々あるんだ。自分の物差しに人を当てはめるのは違うよ」
「っ俺は、良かれと思って……」
「その良かれが相手のできることとは限らないだろ」
「……」
奏多は何言わず黙っていた。
自分のせいで空気が悪くなるのは耐えられない。
どうにかしようとベッドから起き上がり、必死に考える。
「あ、い、いいの!二人ともありがとう……今回考査は諦めて、強制授業受けてくるよ」
言葉とは反対にボロボロと目から涙が流れ出た。
怖いよぉ……
奏多と紡以外のクラスメイトがいたらどうしよう……。
才能特化クラスに学年はあれど、教室は分かれておらず、上級生も赤点を取ると同じ教室で授業を受けると紡から聞いた。
基礎学力があれば問題ない、というのがステラの方針でその学力さえなければ強制授業。
「うう……」
引きこもっていても、勉強くらいはしておくべきだったと文乃は深く後悔した。



