*
髪を乾かし終えて部屋に戻る。
紡の反応を思い出し、一応制服にも着替えた。
「ふ、二人とも待たせて、ごめんね?」
「勝手に来たのは俺らだろ」
「そうだよ」
奏多は文乃の本棚を興味津々に覗き、紡は立ったまま壁にもたれかかっている。
それぞれの性格がよく出ていて、見ていて参考になりそうだ。
「ありがとう……それで、奏多くんは紡くんに教えてもらったんだね」
中断していた会話を再開させて奏多に聞いた。
食堂で紡とは一緒に行動していたし、それは奏多も見ている。
二人は面識のある様子だったから紡から聞いてもおかしくはない。
「あぁ。食堂の前で紡と話してるのも見てたからな……紡にお前の部屋を聞きに行ったら紡と俺の間の部屋だって聞いて——」
「え?」
「……?」
え。
「つ、紡くんと奏多くん……私の隣の部屋なんですか?」
「あれ、文乃知らなかった?」
「俺も驚いたけどよ。三人並んでるなんてな。」
「……。」
自分が毎日同級生に囲まれていたことを入学一ヶ月にして知りました。
隣と言ってもこの寮は隣の部屋同士の間隔が離れているのか、部屋の防音性が凄すぎるのか。
音も聞こえない。
存在すら、わからなかった。
奏多は部屋の中をうろうろと見てまわり楽しそうだった。
小説が好きみたいだから本が好きなのかな。
「……本、読んでいいよ?」
文乃の言葉に奏多は勢いよく振り返り、目を輝かせて文乃を見つめる。
「いいのか?!」
その姿に何か似たものを思い出した。
……あ、そっか。
——目を輝かせるその姿は、愛犬のリキによく似ている。
リキは文乃の実家で飼っている犬だった。
犬種はシベリアンハスキー。
見た目はオオカミのようで近寄り難いのに、その性格はとにかく人懐っこく子供のように無邪気。
ただ、リキは保護犬だったのもあって最初は警戒心が高く、大変で。
そんな愛犬と奏多がどんどん重なって……奏多に耳と尻尾の幻覚まで重なって見えた。
……可愛い。
文乃はリキが大好きで、入寮して一番に悲しくなったのはリキがいないこと。
でも、愛犬そっくりな同級生に出会うなんて。
「ふふふっ」
「な、なんだよ、気持ち悪い」
「……?」
面白くて、嬉しくて。つい、笑ってしまう。
なんで笑っているのかわからない紡と奏多は不思議そうに文乃を見つめていた。
髪を乾かし終えて部屋に戻る。
紡の反応を思い出し、一応制服にも着替えた。
「ふ、二人とも待たせて、ごめんね?」
「勝手に来たのは俺らだろ」
「そうだよ」
奏多は文乃の本棚を興味津々に覗き、紡は立ったまま壁にもたれかかっている。
それぞれの性格がよく出ていて、見ていて参考になりそうだ。
「ありがとう……それで、奏多くんは紡くんに教えてもらったんだね」
中断していた会話を再開させて奏多に聞いた。
食堂で紡とは一緒に行動していたし、それは奏多も見ている。
二人は面識のある様子だったから紡から聞いてもおかしくはない。
「あぁ。食堂の前で紡と話してるのも見てたからな……紡にお前の部屋を聞きに行ったら紡と俺の間の部屋だって聞いて——」
「え?」
「……?」
え。
「つ、紡くんと奏多くん……私の隣の部屋なんですか?」
「あれ、文乃知らなかった?」
「俺も驚いたけどよ。三人並んでるなんてな。」
「……。」
自分が毎日同級生に囲まれていたことを入学一ヶ月にして知りました。
隣と言ってもこの寮は隣の部屋同士の間隔が離れているのか、部屋の防音性が凄すぎるのか。
音も聞こえない。
存在すら、わからなかった。
奏多は部屋の中をうろうろと見てまわり楽しそうだった。
小説が好きみたいだから本が好きなのかな。
「……本、読んでいいよ?」
文乃の言葉に奏多は勢いよく振り返り、目を輝かせて文乃を見つめる。
「いいのか?!」
その姿に何か似たものを思い出した。
……あ、そっか。
——目を輝かせるその姿は、愛犬のリキによく似ている。
リキは文乃の実家で飼っている犬だった。
犬種はシベリアンハスキー。
見た目はオオカミのようで近寄り難いのに、その性格はとにかく人懐っこく子供のように無邪気。
ただ、リキは保護犬だったのもあって最初は警戒心が高く、大変で。
そんな愛犬と奏多がどんどん重なって……奏多に耳と尻尾の幻覚まで重なって見えた。
……可愛い。
文乃はリキが大好きで、入寮して一番に悲しくなったのはリキがいないこと。
でも、愛犬そっくりな同級生に出会うなんて。
「ふふふっ」
「な、なんだよ、気持ち悪い」
「……?」
面白くて、嬉しくて。つい、笑ってしまう。
なんで笑っているのかわからない紡と奏多は不思議そうに文乃を見つめていた。



