ルーチェに恋をして



安心できる同級生に出会った文乃は前を歩く紡についていく。
紡の後ろについていれば安心だと思った。
階段も無事越えて、食堂の前まで来られると安心する。

気の張っていた文乃は紡に救われ、彼と食堂の前まで来たことで気が抜けてしまったのだ。
 
——後ろから近づいていたもう一人の同級生に気づかないほどに。


「おい。」

低く高圧的な声が文乃の背後(はいご)から響く。

恐る恐る振り返ると


「邪魔だ、どけ根暗。」


目を細め、冷たくこちらを睨む黒髪の青年が立っていた。