ルーチェに恋をして



愛は泣きながら訴え続ける。

「ずっと、ずっと文乃ちゃんと話がしたかった」

「あの頃の私は弱くて、何もできなくて」

「クラスで孤立した私に話しかけてくれて、助けようとしてくれて、本当に救われたんだ。」と。

 愛に話しかけたことで、文乃は一人になった。
 でも、それは結果であって。
 きっかけはそれじゃない。

文乃はわかっていた。
愛はただ、自分を守ろうとしていただけだ。
攻められることも、彼女が責任を感じる必要なんてない。

文乃は重荷を捨てるように愛に聞いた。


「愛ちゃんは今、楽しい?」


文乃の問いに愛は感情が爆発したように涙を流す。

 
「文乃ちゃんのおかげで高校にも通えて……友達もできて……っ」


 文乃は門を開けて、愛の前に立った。


「……愛ちゃん。私に友達と出会うキッカケをくれて、ありがとう」



 つらかった、しんどかった。

 でもその経験が今に繋がっている。
 だから私が彼女に伝える言葉は『感謝』。

 それがなければルーチェ(奏多たち)に出会うことはなかったかもしれないから。

 
文乃と愛はぎこちなく笑い合う。

その日。
文乃はどんな時よりも一番、輝いていた。