ルーチェに恋をして

シャワーを浴びて身だしなみを整えるとステラの制服に身を包む。

深呼吸を繰り返し、自室の窓の外を見つめた。

休日にも関わらず、女子生徒はステラの門の前に立ったまま、こちらを見つめている。
彼女があそこに通い出してから五日も経つらしい。
今日、あの子へ会いにいく。

「うぅ……」

決めた心が揺らぎそうになる。
臆病な私は何度も悩んで、やっと足を踏み出す。

 怖い、それでも。

緊張した面持ちで部屋を出るとまるで合図したかの様に全員が部屋の前で待っていた。
……出るのを待っていてくれたんだと胸が熱くなる。
見守られ、支えられながら階段を五人で降りてステラ寮の扉を開けた。
少し肌寒い冬の空気が肌を(かす)める。

四人は何も言わない。
 
でも、その表情は何を思っているか聞かなくても分かる。


 ——ここで、待ってるから。——


私には居場所がある。
友達がいる。

文乃はこちらを見つめる少女へと足を進めた。




「文乃ちゃん……っ!」

門の向こうで愛は文乃を待ち続けていた。
愛は五日振りに見ることのできた同級生に涙が込み上げる。
あの日、言うことのできなかった気持ちを赤裸々に門の向こうで立つ文乃に向かって叫んだ。

「私……中学の時、文乃ちゃんが声をかけてくれて嬉しかった!気にかけてくれて、本当に嬉しかったの!」

「だけど……私のせいで文乃ちゃんが仲間外れにされて、いじめられて……なのに、私は……一緒に立ち向かう勇気も助ける勇気もなくて……」

「見てない、ふりを……した……。でも完全に無視する勇気もなくて……自分の状況を維持するので精一杯だった……」

懺悔を叫び、嗚咽するように泣き出した愛に文乃は何も言わず、ただ見つめていた。
頭では理解できても心は理解するのに時間を要していた——はずだった。