ルーチェに恋をして



引きこもり、全てを遮断してからどれくらい経っただろうか。
泣いては寝てを繰り返し、もう日付感覚もわからない。

 もういっそこのまま——

 ——バタン!

勢いよく自室の扉が開けられ、暗かった部屋にシャンデリアの光が差し込んでくる。
久しぶりに感じる光で目を細めると、奏多が立っていた。

「奏、多……」

怒っているかのようにズンズンと中に入ってくる奏多に怯え、布団で顔を隠す。
奏多はそんなこと知らないと文乃の布団を奪い、手を掴んだ。

「お前は、もうそんな弱い奴じゃないだろ!」

心に訴えるように、強く文乃に問いかける。

「お前は!過去に囚われたまま、こんな風に自由を奪われるような奴じゃない!」

文乃は瞳を揺らしながら、奏多の言葉に耳を傾ける。

「俺たちが側にいる!!だから、逃げるな!」


 奏多の後ろには紡も太陽も蓮もいた。
 三人は文乃を心配するように見つめ、待っている。


「京極文乃は天才小説家だろ!」


奏多の言葉は自分の物語から逃げるなと、文乃の胸を強く揺らした。
もう逃げたくないと、逃げないと沢山思った。
今進まないともう進めなくなる気がした。

「私に……できるかな……」

 違う、やるんだ。
 前へ、進むんだ。


 ぐちゃぐちゃの顔。
 泣き続けた、そろそろいいよね。

 もう、この感情に振り回されるのは

 終わりにしよう。