ルーチェに恋をして


 広い学園内。
 
 とある校舎の教室は夕暮れの温かな陽射しに恵まれ、少女たちは小鳥のようにさえずる。
 

 
 ——「ステラって知ってる?」
 
 
「え?あー、敷地の一番奥にあるやつ?」
 
「そう!才能溢れる本当の天才だけが入れる特別クラス!」

「どうせ金持ちの特別施設でしょ〜?」
 
「そう言われてるけど実際は違うらしいよ?でね!そのクラスから生まれた噂があってさー」
 
「なにそれ?」
 
「『ルーチェを見つけた者は、幸福を得る』」
 
「は?ルーチェってなに?」
 
「わかんない。」
 
「わかんないなら意味ないじゃん〜」
 
「でもそのルーチェを見つけたら幸せになれるんだって!」——


 
 *
 
 ——私立神沢学園。
 
 国と提携し、人材育成特別指定校として運営される国内有数の名門校。
 その創立者にして初代校長、神沢承太郎(しょうたろう)は言った。
 
 
『才あるものは、徳にあらず。』

『しかし、』

『才あるものを、拒むべからず。』


『才能。それはどんな人間にも等しく何かが与えられるものであり、育て、育まれるものである。』と。

 
 そんな初代校長のお言葉により、
 中学一年の途中から高校入学の今に至るまで不登校を貫き通してきた私、京極文乃は出席数だの学力テストもすっ飛ばし。

 私立神沢学園 才能特化クラス

 《STELLA(ステラ)》へ入学する羽目になったのだった。