『隠れモテ美少女と俺様王子の365日同居生活。〜学校一の俺様王子は、裏でモテすぎてるらしい私を絶対に離さない〜』

『ごめんなさい。もう部屋、出るね』

そう言って、寂しそうに背中を向けて歩き出すあいつを見て、本当は、今すぐ後ろから抱きしめて

「嘘だ、全部覚えてる、どこにも行くな」って、昨日みたいに引き留めたくてしょうがなかった。

だけど、俺の口から出たのは、最悪なくらい冷たい命令だけだ。

「……おい、結愛。さっさと準備しろ。……学校にはいつも通り、別々に行くからな」

あいつを傷つけたいわけじゃない。

ただ、そうやって距離を置かないと、あいつが裏で他の男子から『可愛い』って狙われている焦りも、

昨日一ノ瀬に告白されて嫉妬で狂いそうになった本心も、全部顔に出てしまいそうで怖かったんだ。

「……一ノ瀬の野郎」ベッドから起き上がり、俺はシーツをギリッと拳で強く握りしめた。

家ではあいつを突き放すことしかできない、情けない俺だけど。

学校に行ったら、俺の見ていないところで結愛の心を揺さぶったあの一ノ瀬だけは、

絶対に、容赦なく、力ずくで叩き潰してやる。

あいつに嫌われてもいい。

学校中を敵に回したって構わない。

結愛は、最初から最後まで、俺だけのものなんだから――。