『ごめんなさい。もう部屋、出るね』
そう言って、寂しそうに背中を向けて歩き出すあいつを見て、本当は、今すぐ後ろから抱きしめて
「嘘だ、全部覚えてる、どこにも行くな」って、昨日みたいに引き留めたくてしょうがなかった。
だけど、俺の口から出たのは、最悪なくらい冷たい命令だけだ。
「……おい、結愛。さっさと準備しろ。……学校にはいつも通り、別々に行くからな」
あいつを傷つけたいわけじゃない。
ただ、そうやって距離を置かないと、あいつが裏で他の男子から『可愛い』って狙われている焦りも、
昨日一ノ瀬に告白されて嫉妬で狂いそうになった本心も、全部顔に出てしまいそうで怖かったんだ。
「……一ノ瀬の野郎」ベッドから起き上がり、俺はシーツをギリッと拳で強く握りしめた。
家ではあいつを突き放すことしかできない、情けない俺だけど。
学校に行ったら、俺の見ていないところで結愛の心を揺さぶったあの一ノ瀬だけは、
絶対に、容赦なく、力ずくで叩き潰してやる。
あいつに嫌われてもいい。
学校中を敵に回したって構わない。
結愛は、最初から最後まで、俺だけのものなんだから――。
そう言って、寂しそうに背中を向けて歩き出すあいつを見て、本当は、今すぐ後ろから抱きしめて
「嘘だ、全部覚えてる、どこにも行くな」って、昨日みたいに引き留めたくてしょうがなかった。
だけど、俺の口から出たのは、最悪なくらい冷たい命令だけだ。
「……おい、結愛。さっさと準備しろ。……学校にはいつも通り、別々に行くからな」
あいつを傷つけたいわけじゃない。
ただ、そうやって距離を置かないと、あいつが裏で他の男子から『可愛い』って狙われている焦りも、
昨日一ノ瀬に告白されて嫉妬で狂いそうになった本心も、全部顔に出てしまいそうで怖かったんだ。
「……一ノ瀬の野郎」ベッドから起き上がり、俺はシーツをギリッと拳で強く握りしめた。
家ではあいつを突き放すことしかできない、情けない俺だけど。
学校に行ったら、俺の見ていないところで結愛の心を揺さぶったあの一ノ瀬だけは、
絶対に、容赦なく、力ずくで叩き潰してやる。
あいつに嫌われてもいい。
学校中を敵に回したって構わない。
結愛は、最初から最後まで、俺だけのものなんだから――。



