小鳥のさえずりと、カーテンの隙間から差し込む眩しい朝日で目が覚めた。
(……あれ? 私、なんでこんなに体が重いんだろう……)
ぼんやりとした頭で起き上がろうとしたけれど、びくともしない。
視界に飛び込んできたのは、私の腰をがっちりと抱え込み、自分の長い足を絡めたまま眠っている零くんの顔だった。
「っ……!!」
一瞬で昨夜の記憶が蘇り、心臓が跳ね上がる。
シャツのボタンがはだけた零くんの胸元に、私は一晩中、制服のまま抱き枕として閉じ込められていたのだ。
彼の額にそっと触れてみると、熱はすっかり下がって平熱に戻っている。
「……ん、」
零くんの長い睫毛がピクリと揺れ、ゆっくりと目が開いた。
至近距離で視線が交差する。
昨夜のあのトロンとした虚ろさは、綺麗さっぱり消え失せていた。
いつも以上に冷たく、冷徹に澄み切った雲の上の『クール王子』の瞳。
零くんは私を見るなり、不快そうに思いっきり眉をひそめた。
「……おい。なんでお前が俺のベッドにいんの?」
「え……っ?」
昨夜のあの熱い抱擁が嘘みたいに、零くんは私の体を乱暴に突き放し、ベッドの上に起き上がった。
「……風邪で寝込んでる男の部屋に勝手に入ってくるとか、マジで何考えてるわけ?」
「な、何って……っ。零くんが、昨夜すごい熱で、汗を拭いてあげたら急に引っ張られて……っ」
「は? 俺がそんなことするわけねぇだろ。変な妄想してんじゃねぇよ」
冷たく言い放ち、零くんははだけたシャツのボタンをパチパチと留め直していく。
その顔には照れも、焦りも、1ミリの赤らみもない。
ただただ、他人に興味のない、いつもの冷酷な俺様に戻っていた。
(嘘……。昨日の、あの切なそうな告白も……『俺の隣にいろ』って言ったのも……全部、熱のせいで、記憶にないの……?)
胸の奥がキュウッと張り裂けそうに痛んで、私は涙をこらえるように唇を噛み締めた。
「……ごめんなさい。もう部屋、出るね」
逃げるように立ち上がった私の背中に、零くんの低くて冷徹な絶対命令が投げかけられる。
(……あれ? 私、なんでこんなに体が重いんだろう……)
ぼんやりとした頭で起き上がろうとしたけれど、びくともしない。
視界に飛び込んできたのは、私の腰をがっちりと抱え込み、自分の長い足を絡めたまま眠っている零くんの顔だった。
「っ……!!」
一瞬で昨夜の記憶が蘇り、心臓が跳ね上がる。
シャツのボタンがはだけた零くんの胸元に、私は一晩中、制服のまま抱き枕として閉じ込められていたのだ。
彼の額にそっと触れてみると、熱はすっかり下がって平熱に戻っている。
「……ん、」
零くんの長い睫毛がピクリと揺れ、ゆっくりと目が開いた。
至近距離で視線が交差する。
昨夜のあのトロンとした虚ろさは、綺麗さっぱり消え失せていた。
いつも以上に冷たく、冷徹に澄み切った雲の上の『クール王子』の瞳。
零くんは私を見るなり、不快そうに思いっきり眉をひそめた。
「……おい。なんでお前が俺のベッドにいんの?」
「え……っ?」
昨夜のあの熱い抱擁が嘘みたいに、零くんは私の体を乱暴に突き放し、ベッドの上に起き上がった。
「……風邪で寝込んでる男の部屋に勝手に入ってくるとか、マジで何考えてるわけ?」
「な、何って……っ。零くんが、昨夜すごい熱で、汗を拭いてあげたら急に引っ張られて……っ」
「は? 俺がそんなことするわけねぇだろ。変な妄想してんじゃねぇよ」
冷たく言い放ち、零くんははだけたシャツのボタンをパチパチと留め直していく。
その顔には照れも、焦りも、1ミリの赤らみもない。
ただただ、他人に興味のない、いつもの冷酷な俺様に戻っていた。
(嘘……。昨日の、あの切なそうな告白も……『俺の隣にいろ』って言ったのも……全部、熱のせいで、記憶にないの……?)
胸の奥がキュウッと張り裂けそうに痛んで、私は涙をこらえるように唇を噛み締めた。
「……ごめんなさい。もう部屋、出るね」
逃げるように立ち上がった私の背中に、零くんの低くて冷徹な絶対命令が投げかけられる。



