夕方の薄暗い教室。
私を壁に押しつけ、逃げ道を塞ぐようにドン、と両手を突いてきたのは――。
「……はぁ、……っ、おい」
肩を激しく上下させ、額に汗を浮かべた零くんだった。
グラウンドから3階のここまで、本気で猛ダッシュで階段を駆け上がってきたのが一目でわかる。
濡れた黒髪の隙間から覗く瞳は、見たこともないほど怒りと嫉妬でギラギラと肉食獣みたいに肉薄していた。
「れ、零くん……!? なんでここに……体育委員の仕事は……っ」
「そんなもん、途中で放り出してきたに決まってんだろ」
零くんは荒い息を私の顔に吹きかけながら、さらにじりじりと距離を詰めてくる。
近すぎる。学校での涼しげな仮面なんて完全に剥がれ落ちていて、そこには余裕をなくした俺様狼の本性しかなかった。
「お前、さっきの男と何話してたわけ?」
「え……っ? 陸くんとは、ただ委員会の機材の説明を……」
「嘘つけ。あいつ、お前にめちゃくちゃ顔近づけてただろ」
零くんの声が、低く、低く地を這うように響く。
掴まれている手首から、彼の激しい心臓の鼓動が痛いほど伝わってきて、私の胸も苦しくなる。
私を壁に押しつけ、逃げ道を塞ぐようにドン、と両手を突いてきたのは――。
「……はぁ、……っ、おい」
肩を激しく上下させ、額に汗を浮かべた零くんだった。
グラウンドから3階のここまで、本気で猛ダッシュで階段を駆け上がってきたのが一目でわかる。
濡れた黒髪の隙間から覗く瞳は、見たこともないほど怒りと嫉妬でギラギラと肉食獣みたいに肉薄していた。
「れ、零くん……!? なんでここに……体育委員の仕事は……っ」
「そんなもん、途中で放り出してきたに決まってんだろ」
零くんは荒い息を私の顔に吹きかけながら、さらにじりじりと距離を詰めてくる。
近すぎる。学校での涼しげな仮面なんて完全に剥がれ落ちていて、そこには余裕をなくした俺様狼の本性しかなかった。
「お前、さっきの男と何話してたわけ?」
「え……っ? 陸くんとは、ただ委員会の機材の説明を……」
「嘘つけ。あいつ、お前にめちゃくちゃ顔近づけてただろ」
零くんの声が、低く、低く地を這うように響く。
掴まれている手首から、彼の激しい心臓の鼓動が痛いほど伝わってきて、私の胸も苦しくなる。



