『隠れモテ美少女と俺様王子の365日同居生活。〜学校一の俺様王子は、裏でモテすぎてるらしい私を絶対に離さない〜』

真面目に言い訳をする私に、零くんはカチンときたようにさらに顔を険しくした。

そして、周りの生徒たちが「え、九条くんが女子と……?」とざわつき始めたのも完全無視で、私の手をガシッと掴んだ。

そのまま、指と指を深く絡ませる、拒むことを許さない強引な恋人繋ぎ。

「ちょっと、零くん!? みんな見てるよ……!」

「見せつけてんだよ。他人のフリしろって言ったのは、学校の他の男たちが結愛に近寄らないように釘を刺しただけ。俺の見ていないところで、お前が他の男と話すのが気に入らねぇんだよ」

「っ……!」

いつもの俺様な独占欲を隠そうともせず、私を真っ直ぐに見つめてくる。

昨夜のぼせて甘えてきた姿なんて微塵もなくて、そこには一切の照れも迷いもない、容赦ない俺様の瞳があった。

「お前さ、自分が違うクラスの男子から『裏で可愛い』って噂されてんの、気づいてねぇだろ。真面目でお人好しだから、すぐ男に騙されそうだし……。学校でも、家でも、お前は俺のもの。……文句あんの?」

「も、文句なんてないけど……!」

「だったら黙って俺に付いてこい。二度と俺の前から勝手に消えんな」

繋いだ手にガチッと強い力を込め、私を引っ張るようにして力強く歩き出す零くん。

前を歩く彼の横顔には、照れている様子なんて少しもない。

ただ、繋がれた手から伝わる体温だけが、昨夜のドライヤーの時みたいに、やたらと熱かった。