『隠れモテ美少女と俺様王子の365日同居生活。〜学校一の俺様王子は、裏でモテすぎてるらしい私を絶対に離さない〜』

初夏の爽やかな風が吹く通学路。

学校の手前の大きな交差点まで来たところで、赤信号に引っかかり、私は足を止めた。

周りには同じ学校の生徒たちが増え始めていて、少し緊張する。

「おい、結愛!!」

突如、後ろから私の名前を呼ぶ、低くて怒気を含んだ声が響いた。

驚いて振り返った瞬間、視界が大きく揺れる。

「ひゃっ……!? れ、零くん……!?」

猛ダッシュで追いかけてきたのか、少し肩で息を荒くした零くんが、私の目の前に立っていた。

学校で見せるいつもの涼しげな表情はどこへやら、眉間に思いっきりシワを寄せて、私を激しく睨みつけている。

「お前、いい度胸してんじゃん。俺を置いて先に行くとか、マジで何考えてるわけ?」

「だって、零くん昨夜のぼせてて体調悪そうだったし、ゆっくり休ませた方がいいかなって……。それに、学校では他人のフリしろって……」