『隠れモテ美少女と俺様王子の365日同居生活。〜学校一の俺様王子は、裏でモテすぎてるらしい私を絶対に離さない〜』

コンコン、と力なくドアがノックされ、私が返事をする前にガチャリと扉が開いた。

「おい、結愛……っ、あ……」

「ひゃいっ!? れ、零くん……!?」

入ってきた零くんの姿を見て、私はベッドの上で完全に固まった。

黒いTシャツにスウェットというラフな部屋着姿。

だけど、様子が明らかにおかしい。

いつもは涼しげで完璧な彼の顔が、耳まで、首元まで真っ赤に染まっている。

お風呂に長く入りすぎたのか、完全にのぼせて頭がぽーっとしているみたいだ。

濡れた黒髪がハラリと額にかかっていて、潤んだ瞳はトロンと虚ろ。

まるで本当にお酒に酔っ払っているみたいに足元がおぼつかない。

首元にかけられたタオルからは、湯気と一緒に、甘くて爽やかなシャンプーの香りが部屋中に広がった。

「零くん…? 大丈夫…っ?」

心配になって声をかけた瞬間、零くんはフラリと、だけど吸い寄せられるようにベッドのフチに倒れ込んできた。

マットレスが大きく沈む。

「あ……? 結、愛……ぁ、」

零くんは低くあいまいに声を漏らしながら、私の両手首を片手でひょいと掴んで、ベッドの上に固定した。

「え……?」

視界がくるりと回る。