エリート同期は私の初恋でした

「そろそろ午後の予定確認しないとな。」

一ノ瀬が腕時計に目をやりながら言った。

「午後も外回り?」

私が聞くと、一ノ瀬は頷く。

「今日はあと二件。」

「この暑さで二件かぁ……。」

渚が少し顔をしかめる。

「営業は大変だね。」

「まあな。」

一ノ瀬は苦笑しながら水を一口飲んだ。

「佐竹は?」

「俺は午後一件だけ。」

「じゃあ、そのあとは支店?」

「うん。部長と営業会議の資料を最終確認する予定。」

そう言って、私の方へ視線を向ける。

「櫻井、午後もよろしく。」

「こちらこそ。」

自然と笑みがこぼれた。

「櫻井は午後も資料?」

渚が聞いてくる。

「うん。部長から細かい修正があれば直して、最終版を仕上げる予定。」

「相変わらず忙しいね。」

「でも、午前中にだいぶ進んだから大丈夫そう。」

そう答えると、一ノ瀬が頷いた。

「営業は数字を見ることが多いけど、資料を作ってくれる人がいるから助かるんだよ。」

「そうそう。」

佐竹も続ける。

「営業だけじゃ、ここまで見やすくまとめるのは難しい。」

二人の言葉に少し照れながら笑う。

「ありがとう。」

「こちらこそ。」

佐竹も笑って返した。

その様子を見ていた渚は、どこか満足そうに頷く。

「なんか営業部って、いい雰囲気だよね。」

「確かに。」

一ノ瀬も笑う。

「忙しいけど、みんなでフォローし合う感じがあるからな。」

食事を終え、それぞれがトレーを持って立ち上がる。

昼休みも残りわずか。

午後もまた、それぞれの持ち場で仕事が始まる。