エリート同期は私の初恋でした

「じゃあ、午後までに細かいところを直しておくね。」

「了解。」

佐竹は自分の席へ戻り、私はもう一度資料の最終確認を始める。

しばらくすると、昼休憩を知らせるチャイムが社内に響いた。

「あ、もうお昼か。」

時計を見ると、いつの間にか十二時を回っている。

集中していると、本当に時間が経つのは早い。

その時、机の上に置いていたスマートフォンが震えた。

画面を見ると、渚からメッセージが届いていた。

『食堂着いたよ!いつもの席取っとくね!』

思わず笑みがこぼれる。

毎日飽きもせず、こうして席を取って待っていてくれる。

「塩谷から?」

席を立った佐竹が声を掛けてきた。

「うん。」

スマホを見せると、佐竹は小さく笑った。

「仲良いんだね。」

「同期だからね。営業部にいた頃から、ほぼ毎日一緒にお昼食べてる。」

「そうなんだ。」

営業部を出ようとした、その時だった。

「美紀ー!」

食堂の入口から、よく通る声が聞こえてくる。

振り返ると、渚が大きく手を振っていた。

「早くー!」

「もう、声大きいって。」

苦笑しながら近付くと、渚は佐竹に気付いて目を丸くした。

「あれ?佐竹くん!」

「こんにちは。」

「ちょうど良かった!佐竹くんも一緒に食べようよ!」

「え?」

佐竹が少し驚いたように私を見る。

「いいの?」

「もちろん!」

答えたのは私ではなく渚だった。

「同期なんだから遠慮しなくていいって!」

その勢いに思わず笑ってしまう。

「塩谷らしいね。」

「でしょ?」

渚は得意げに笑う。

「じゃあ、お言葉に甘えて。」

佐竹も少し照れたように笑い、私たちは三人で食堂へ向かった。