気がつくと時計は21時を回っていて、お開きになった。
店を出ると、ひんやりとした夜風が火照った頬を優しくなでた。
「いやー、今日も飲んだな!」
「部長、二次会行きますか?」
「もちろん!」
営業さんたちは楽しそうに笑いながら歩き出す。
「櫻井たちはどうする?」
高橋主任が振り返って聞いてきた。
「私はこのまま帰ります。」
「「俺もです。」」
一ノ瀬と佐竹もほぼ同時に答えた。
「そうか。じゃあ気を付けて帰れよ。」
「お疲れ様です!」
営業さんたちは二次会へ向かい、私たちは駅へ向かって歩き出した。
「今日は楽しかったな。」
一ノ瀬が両手を頭の後ろで組みながら言う。
「うん。久しぶりの飲み会だったしね。」
「佐竹も営業部の雰囲気分かっただろ?」
「うん。思っていた以上に賑やかだったな。」
「最初は驚くよな。」
一ノ瀬が笑う。
「でも、いい部署だな。」
佐竹のその言葉に、なんだか少し嬉しくなった。
営業部は忙しい。
残業も多いし、大変なこともたくさんある。
それでも居心地がいいと思えるのは、この人たちのおかげなのかもしれない。
駅前の交差点に差しかかったところで、一ノ瀬が立ち止まる。
「俺、こっちだから。」
「うん、お疲れ。」
「櫻井、また月曜日な。」
「またね。」
「佐竹も、お疲れ。」
「お疲れ。」
一ノ瀬は軽く手を挙げ、そのまま人混みの中へ消えていった。
気付けば、私と佐竹だけになる。
昼間ほどぎこちなさはない。
でも、まだ沈黙の方が多い。
「今日はありがとう。」
不意に佐竹が口を開く。
「え?」
「歓迎会。」
「ああ。」
思わず笑みがこぼれる。
「営業部のみんな、ちょっと騒がしかったでしょ?」
「うん。でも、ああいう雰囲気、嫌いじゃない。」
その言葉に、肩の力がふっと抜けた。
「それなら良かった。」
駅に着くと、改札は左右に分かれていた。
「じゃあ、また月曜日。」
「うん。また。」
軽く手を振り、それぞれの改札へ向かう。
振り返ることはなかった。
だけど、なぜだろう。
今日初めて会ったはずなのに。
佐竹 海翔という人が、少しだけ気になる存在になっていた。
店を出ると、ひんやりとした夜風が火照った頬を優しくなでた。
「いやー、今日も飲んだな!」
「部長、二次会行きますか?」
「もちろん!」
営業さんたちは楽しそうに笑いながら歩き出す。
「櫻井たちはどうする?」
高橋主任が振り返って聞いてきた。
「私はこのまま帰ります。」
「「俺もです。」」
一ノ瀬と佐竹もほぼ同時に答えた。
「そうか。じゃあ気を付けて帰れよ。」
「お疲れ様です!」
営業さんたちは二次会へ向かい、私たちは駅へ向かって歩き出した。
「今日は楽しかったな。」
一ノ瀬が両手を頭の後ろで組みながら言う。
「うん。久しぶりの飲み会だったしね。」
「佐竹も営業部の雰囲気分かっただろ?」
「うん。思っていた以上に賑やかだったな。」
「最初は驚くよな。」
一ノ瀬が笑う。
「でも、いい部署だな。」
佐竹のその言葉に、なんだか少し嬉しくなった。
営業部は忙しい。
残業も多いし、大変なこともたくさんある。
それでも居心地がいいと思えるのは、この人たちのおかげなのかもしれない。
駅前の交差点に差しかかったところで、一ノ瀬が立ち止まる。
「俺、こっちだから。」
「うん、お疲れ。」
「櫻井、また月曜日な。」
「またね。」
「佐竹も、お疲れ。」
「お疲れ。」
一ノ瀬は軽く手を挙げ、そのまま人混みの中へ消えていった。
気付けば、私と佐竹だけになる。
昼間ほどぎこちなさはない。
でも、まだ沈黙の方が多い。
「今日はありがとう。」
不意に佐竹が口を開く。
「え?」
「歓迎会。」
「ああ。」
思わず笑みがこぼれる。
「営業部のみんな、ちょっと騒がしかったでしょ?」
「うん。でも、ああいう雰囲気、嫌いじゃない。」
その言葉に、肩の力がふっと抜けた。
「それなら良かった。」
駅に着くと、改札は左右に分かれていた。
「じゃあ、また月曜日。」
「うん。また。」
軽く手を振り、それぞれの改札へ向かう。
振り返ることはなかった。
だけど、なぜだろう。
今日初めて会ったはずなのに。
佐竹 海翔という人が、少しだけ気になる存在になっていた。
