エリート同期は私の初恋でした

春、桜舞う季節。

私は、櫻井 美紀(さくらい みき)。

某大手ゼネコンの営業部で営業補佐として働く25歳。

社会人3年目の春を迎えた。

営業補佐の仕事は、電話対応や資料作成、契約書や議事録の作成など。

本当はほかにもたくさんあるけれど、うちの営業部には頼れるベテラン事務さんがいるから、今の私が任されているのは主にそんな仕事だ。

営業さんたちが外回りをしている間に会議資料を作ったり、調べものをしたり。

派手な仕事ではないけれど、営業さんたちを支える大切な仕事。

営業部の人たちに支えられながら、忙しくも楽しい毎日を過ごしていた。

――この日までは。

今日もいつも通り出社し、パソコンの電源を入れて始業まで時間があるのでメールチェックしたりしていた。

すると、
「美紀、おはよー!ねえ聞いた?本社から異動してくる人めちゃくちゃイケメンらしいよ!」

「おはよう、渚。相変わらず朝からテンション高いね。」

この子は、塩谷 渚(しおたに なぎさ)。人事部の同期だ。入社当時は、同じ営業部に居たが昨年人事に異動した。異動してまだ1年だけど、入社当時からこういう情報に詳しい。

「もう、美紀は相変わらずクールだなあ。しかも、その人あたし達の同期で相当やり手なんだって!」

「そうなんだぁ。
っていうか、渚。あと5分で始業だけど大丈夫?」

「あ、やば!じゃあ美紀、またお昼ね!」

そう言いながら、渚は走り去っていった。

相変わらず嵐みたいだなあ。
そうこうしていると、みんな出勤してきていつの間にかいつもの慌ただしさを取り戻す。