素のまま恋









嘘でしょ?

これは……やらかしてしまったかもしれない。


季節は冬。
次の授業は外での持久走。

なのに……私のサブバッグの中に、長袖がない。

何度探しても見当たらない。


体育館ならまだギリギリ……半袖でも耐えられるかもしれないけど、今日は外。

凍えるなこれは。

体育の先生は結構厳しく、部活や私服の着用は認められておらず、着ていけば怒られるのは間違いない。

理由を話せば季節的に許してもらえるかも?

いや……膝丈のコートなんか着ていけば浮く。
でも、始まる前までは着てもいいよう許可を取ろう。






「……寒い」


半袖姿を隠したくて、コートを肩からかけ隣にしゃがむ杏奈へとぴたりくっつく。

風よけにと前には木、後ろに校舎、隣には杏奈。

怒られるのはいい。いっときだから。

けれど持久走であたたまるまでが私の地獄タイムになりそう。

少しでも今のうち杏奈から暖を取りたい。
そう思っていると、


「皆森、上忘れたの?おれ貸すよ?男子が先に走るだろうしさ」


サッカー部の男子が自身の上着に手をかける。


「い、いいよ。運動部員が風邪引いたら大変だから。杏奈のそばにいるから」