ね、子供の笑顔に首を横に振ることなんてできないでしょ?
「……出来た!渾身の出来よ!」
「どれ……俺の方が綺麗だろ?」
二人してお互いのどろだんごを見つめ、あーでもないこーでもないと言い合う。
「ふたりともうまーい!」
「椿冴でかすぎーっでもきれー!」
私たちの手からだんごを持っていき、男の子たちは楽しそうに走り回り、欲しいと言われたから頷いておいた。
「お前ら、鞄砂だらけにすんなよ?」
「もう砂だらけだよ?」
「おれの砂茶色い!!」
「おいっ!!」
ほら、と子供たちに鞄の中身を見せられた貴公子は急いで鞄を中の砂をほろう。
こうして見ると……なんだかんだ面倒見いいというか。
「皆森、お前先に手洗ってこいよ」
「はーい」
勉強を目的として来たはずなのに、私がどろだんごに興味を出して遊びの方に熱が入ってしまったため……その後、もう少しだけ勉強をすることとなった。
その時に、あの男の子たちのことを聞けば、鼓さんの教室に通っているお母さん方のお子さんだそうで。
じっとしてられないから、敷地内で遊ぶことを鼓さんは許可しているらしい。
おかげで楽しかった。
そして、私たちが勉強を終えるまで遊んでいた男の子たちの鞄を綺麗にしてから、私たちは旅館へと向かった。



