「……お前、それマジで見たかったのかよ」
「そうよ?だって、どろだんご見るのも触るの何年ぶりだろうって思って」
「そりゃそうだろうけどよ……」
どろだんご見たいって……とかぶつぶつ隣で言う貴公子は置いておこう。
「まだ砂あるよ、お姉ちゃんもやる?」
「え?私も?」
うん、とキラキラとした笑顔を向けられては断れるわけがない。
久々にやってやろうではないか。
遠慮なく湿る砂が入ったバケツに手をっこむ、寸前に横からの手によって止められてしまう。
「待て……一応次期女将が何してんだよ。同じように汚れるぞ」
「だって……見てよ、また二人とも楽しそうに作り出した。なのにやらなーいとは言えないでしょ?それに、次期女将は関係ないわ。やる時はなんでも全力でやるっての」
「……はぁ、仕方ねぇな」
ため息をついてから、貴公子は私より先にバケツへと手を入れた。
その姿を見て、男の子たちは騒ぎ出す。
「お!椿冴もやるの!?」
「やった!」
「こ、今回だけだからな!」



