素のまま恋






「──ってことになるの。分かった?」

「おお……教えるのうまいなお前。どうよ、俺の回答完璧じゃん?」

「……だな」

「すげぇ分かりやすかったわ」


へへっ、と問題が解けて嬉しいのか、貴公子はノートを見せてくるから、それを見て頷き返す。
その流れで時計へ目をやると一時間ほどが経っていた。

二人して集中してたから、出されたお茶のグラスには水滴がたまっていた。
その水滴をグラス二つ分、綺麗に拭ってくれた貴公子にお礼を告げて、お茶を飲んだ。


すると、遠くからドタドタと複数の足音が。


「……げっ」


その正体が分かるのか、貴公子はグラスに手を伸ばしたところで止まった。

徐々に近付いてくる足音と声。

『つばさー!』って叫んできてる。

その主が子供だと分かれば、丁度ガラス障子にふよふよと人影が見え、容赦なくあけられた戸。


「ほら!やっぱりつばさとかのじょだ!」

「本当だ!」


男の子二人が私を見て、目を輝かせるものだから、なんとなく笑っておいた。


「お前らなんで……つか何してんだよこんなに手汚して」


部屋の前で止まる男の子たち。私も、手が泥だらけなのは気になった。