「さては皆森……」
「な、なに」
「お前、俺に何かされるとか思ってんの?」
「お、思ってないし!何を言ってんだか……」
ぱっと服を離して、何も思ってません感を出すも貴公子はなぜかニヤニヤとしていた。
「ふうん?思ってねぇなら問題ねぇな。ほら行くぞ」
「えっちょっと……!!」
腕を引かれ、そのまま……貴公子の部屋へと到着。
モザイクガラスの障子を開けて中へ。
八畳の和室に、シンプルな木のタンスとテーブル。
ベッドがない、ってことはいつも布団なのかな。
飾ってある花は貴公子が生けたものっぽい。
中々シンプルな部屋だけど、畳だと落ち着く。
「なに突っ立ってんだよ。座れって」
「お、おう」
貴公子の向かい側に用意されていた座布団へと座り、とりあえず自分も持ってきた勉強一式を鞄から取り出す。
勉強に集中してしまえば、この空間に二人なんぞ気にならなくなる。
なら早速始めてしまおう。
「……どこが分からないの」
「あー付箋つけといたんだよ、ここと……後これ。なんでこの答えになるか分かんねぇ」
教科書と、貴公子が解いたノートを見ながら、私のノートに説明を書き込んでいく。



