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【分かんねぇ教えに来い】──貴公子からの連絡によって、私はテスト期間が迫ってることもあって旅館の手伝いが休みなのに、なぜかその一日の休みを貴公子に捧げることとなった。
なんでそれも私のほうにじゃなく、わざわざ旅館への電話を選んだのか……。
お母さんが出て、にこにこと『椿冴さんっ』なんて言いながら受話器を渡してきて。
……知りませんって返したら、旅館の手伝い休みだろって。
レッスンでもないのに来ることになるとは。
着物じゃないと変な感じする。
ワンピースの裾を正して、インターホンに手を伸ばすと、一つ気付いたことがあった。
「……なんで覗いてんのよ」
「お前もしてたろ。玄関の隙間から覗き」
確かにしたけど。
なんで同じことしてるんだか……。
「お邪魔します」
「……あら、詩姫さん。椿冴が呼んだの?デートかしら」
「ちが──」
「はい、学校の先輩でもあるので勉強を」
「ふふふ、そうでしたか。ならきちんと励みなさい。私は教室があるから詩姫さん、椿冴の勉強、見てやってくださいね」



