素のまま恋


フォトブース?どうしてそんなとこに。
ましてや、私と貴公子でだなんて。


「お、ラッキー空いてんじゃん」


貴公子の顔パスで受付を過ぎ、教室へと入れば中には四つのフォトブースが用意されていた。

黒板前に大きなのがひとつと、ほかに三つ。

撮ってるところが周りから見えないよう敷居が置かれてた。


「へぇ……仕切られてるところ、いいね」

「だろ?」

「それで……私が貴公子を撮るってことで?」

「なわけ。俺が撮る」


なぜ?


「見せてやれよ。浴衣も新調したわけだし、行事なんて俺らの親はほとんど来られないんだから」


そういうこと……。

確かに、新調した浴衣姿はお母さんに見せたいかも。


「なら一枚だけ……」


スマホを袖から取り出そうとするも、貴公子はすでに私へとスマホを向けて撮り始めた。

後で……送ってもらえば、いいのか。

顔、変じゃないことを祈ろう。











一日だけの文化祭。
それが無事に終わって、むかえた後夜祭。

あまり行事のない学校のせいか、ここぞとばかりの盛り上がりを見せるグラウンド。