素のまま恋




「鼓さんにもまたお礼は伝えるけど……これ、鼓さんに渡してもらえる?」

「え、ばあちゃんに?」

「知り合いからもらったチケットって言っても、譲ってもらったことに変わりはないから。一応、貴公子が選んでないものをチョイスしたはずだよ。だから、貴公子も一緒に食べてね」


お菓子の箱を渡せば、貴公子は『さんきゅ』と受け取ってくれた。


「意外とちゃんとしてんなお前」

「なに意外とって。……でも今日はよしとしよう。改めてこちらこそ、ペンギンくんありがとう」

「ああ。でもそれ……なんでペンギン"くん"なんだよ。ちゃんでよくね?」

「え?やだなぁ、目つきからしてペンギンくんだろう」


ほら、と目つきを見せるためにペンギンくんを貴公子に向ける。


「そうだけど……なんか気に食わねぇな」

「いーの。……ってことで、帰り気を付けて。じゃーな、きこーし」


私はペンギンくんの短な手を取り、貴公子に振る。


「じゃーな、皆森。じゃーな、ペンギン」


貴公子もまた、小さく振り返して帰って行った。