お互いにお土産を選び、先に会計を済ませた私は近くにあったベンチに座って待つことにした。
──はやいなぁ、もう夕方か。
スマホを見てすぐさましまって、店内を眺めているとあることに気付く。
「……あれ、ペンギンくんが」
いない、と言いかけた時、私の目の前には目が合った気がしたペンギンくんがいた。
「え、貴公子。なんで、これ……」
「……やるよ。目が合ったんだろ?なら、ならそれはお前のところに連れてけっていうペンギンの圧ってことで」
両手を広げれば、ちょこんと置かれたペンギンくん。
「いいの?私何も……」
「別にお礼が欲しくてあげるんじゃねぇよ。……帰ったら買っときゃよかったってなるかもしれないだろ?」
「それは、そうかもしれない」
「だろ。なら、受け取れ。そして大事にしろよ?」
「うん、ありがとっ」
実を言うと、本当は欲しかった。
でもなんか先輩、というのか年上っぽくいようと変な見栄が働いて……だけど、貴公子はぬいぐるみをくれた。
目つきが悪いペンギンのぬいぐるみを。
今日から一緒に寝るぞ。
まだ明るいんだから帰りは送らなくてもいいと言ったけど、貴公子は聞き入れなくて。
私はずっとペンギンくんを手にして、水族館でのことを話しながら帰ってきた。



