「来いって……まぁ、お母さんに話したら絶対行けって言われると思うから大丈夫だけど。もうどんな作品にするか決めてるの?」
「……まぁ、それなりに」
ネタバレはなし、みたいな。
まあ、私にテーマとか言われても、生けた花を見て確かに!と言える人間ではないから、それはいいけども。
「来いよ、いいな?」
「分かったって!」
やたら来い来い言うから、行くわよ。
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約束の花展の日──街中のビル前。
思いの外、人がいてどの人も華道に詳しそうな人に見えてくる。
そのせいか中に入れていない。
だから……暑い。着物、夏仕様でも暑い。
意を決して入ろうと試みるも、おしゃれな老夫婦とかが入っていくと、私が場違いな人に感じて……足を引っ込める。
「……あっ、皆森!」
「あ、貴公子」
中から出てきたのか、貴公子はスマホを握りしめ私のもとへ走ってきた。
「電話したんだぞ。出ねぇし。何してんのかと思えば突っ立ってるしよ……。早く来い」
「ご、ごめん。なんか私入って大丈夫か?と思って」
「は?俺とばあちゃんが招待してんだから、何の問題もねぇだろ。ここでお前の成績は関係ないしな」
それも、そう……?
なんだかすんなりとは頷けないけど、招待してもらった立場なら怯むこともないか、と思えてきた。



