素のまま恋



「我が校ではまだ被害は出ていませんが、もし見かけてもむやみに近付かず、その場から離れるように。いいですね」


はーい、と言うまばらな返事に、眉を寄せる先生。圧倒的に返事をした声数が足りたないからだろう。


「……それでは帰りのホームルームにしましょ」

今時いるんだな。カツアゲみたいなことする人って。










──あー疲れた……。



あれからまた先生が長々と絡まれ話を繰り返し話すものだから、目蓋が重いのなんの。

というより名門学生中心に被害って、やっぱり目的はお金?とは言ったって、金髪はいてもほとんど不良なんてここいらじゃ見かけやしないのに。

うちの学校はいちいちそういう問題を警戒しすぎなんじゃないかってたまに思う。
前にもひったくりが流行ったりして、女子は人通りのあるところを歩くことだなんだのって話を聞かされた気がする。


「……ま、そんなこといいや。少し寄り道寄り道っ」


月半ばに一度、私は学校生活のストレスを発散するため小さなショッピングモールの中にあるゲームセンターへ寄る。
制服だからそう長居は出来ないけど、生け花のうっぷんを晴らす──そのために。



一歩、中へ足を踏み入れた時のうるささが今の私には心地いい。

両替機に千円札をいれ、小銭へ。
それを握りしめ、気合い十分に挑んだ。


「……今日はやってやるぞ」