映えるキミと恋をする



自然に、でもどこかいやらしい手つきで私の肩を掴み撫でる。
体が強張り、振り払いたいのに手が上がらない。
突然の嫌悪感と恐怖にいうことが効かなくなったのか、男性を睨みつけることしかできなくなった。


「離してっ……!」


酔っぱらっているのに、痛いくらいすごい力。
体をよじっても手が離れることはなくて。かと言ってこの手に触れたくもない。

夏休み中なんだから、人の量はあるはず。
だから叫べば誰かしら気づいてくれるかもしれない。
どこまで声が届くのか、そもそも私が叫べるのかも分からないけれど。言うだけ言ってみるのもありだよね。


「離さないなら、叫びま──」


叫びますよ、そう言いかけた刹那──


カコンッ、と声をかけてきた男性の頭へと何かが当たった。

地面に転がったその何かを見れば、メロンソーダの空き缶で……。