「してくれないなら、本当にこのまま会社バックれて亜子を監禁する」
やっぱり、似たようなことを言われた気がする……!
「ねぇ、どっちがいい?」
目が全然冗談を言っていない。
この人は、私が折れるまで本気で離さないつもりだ。
時計の針は無情にも進んでいる。
今日の午前中の商談は、絶対に遅れるわけにいかない。
「……本当に、一回だけだからね」
観念してため息をつくと、千影の口元が満足そうに緩んだ。
私は渋々ながらも目を瞑り、彼の唇にそっと自分の唇を重ねた。
「ちゅっ……」
触れるだけの、静かなキス。
すぐに離れようとしたけれど、千影の手が私の後頭部を優しく、けれど強く固定した。
「……ん、……ちか、げ……」
「……深いやつって言ったでしょ?」
これって、デジャブ……!?

