【第65話】氷室視点
夜の自室、スマートフォンの画面に表示された律さんからのメッセージを、俺は何度も、何度も読み返した。
『本日をもってアクセス権を完全剥奪(別れを宣告)いたします。以降、業務外の通信は一切遮断します』
「……なんで、だよ……っ」
指が震えて、文字が上手く打てない。
『どういうこと?』『俺、何か悪いことした?』『ちゃんと話そう』
必死の思いでいくつもメッセージを送信したが、そのすべてに「既読」のマークがつくことはなかった。通話ボタンを押しても、機械的なアナウンスが響くだけ。
本当に、完全にシャットダウンされてしまった。
(致命的なシステムバグって何だよ……! 先週まで、あんなに嬉しそうに俺の手を握り返してくれてたじゃんか……!)
頭を掻きむしり、ベッドの上に倒れ込む。
理由が全くわからない。冷徹な標準語で綴られたその文章は、まるで出会ったばかりの頃の、あの誰も寄せ付けなかった「アンドロイドの神田律」に完全に逆戻りしてしまったかのようだった。
だけど、俺は諦めるつもりなんて毛頭なかった。
俺の愛は、そんな一方的なアクセス遮断くらいでシステムダウンするほど、ヤワな設計にはなっていない。
夜の自室、スマートフォンの画面に表示された律さんからのメッセージを、俺は何度も、何度も読み返した。
『本日をもってアクセス権を完全剥奪(別れを宣告)いたします。以降、業務外の通信は一切遮断します』
「……なんで、だよ……っ」
指が震えて、文字が上手く打てない。
『どういうこと?』『俺、何か悪いことした?』『ちゃんと話そう』
必死の思いでいくつもメッセージを送信したが、そのすべてに「既読」のマークがつくことはなかった。通話ボタンを押しても、機械的なアナウンスが響くだけ。
本当に、完全にシャットダウンされてしまった。
(致命的なシステムバグって何だよ……! 先週まで、あんなに嬉しそうに俺の手を握り返してくれてたじゃんか……!)
頭を掻きむしり、ベッドの上に倒れ込む。
理由が全くわからない。冷徹な標準語で綴られたその文章は、まるで出会ったばかりの頃の、あの誰も寄せ付けなかった「アンドロイドの神田律」に完全に逆戻りしてしまったかのようだった。
だけど、俺は諦めるつもりなんて毛頭なかった。
俺の愛は、そんな一方的なアクセス遮断くらいでシステムダウンするほど、ヤワな設計にはなっていない。



