好きになったのは大嫌いな先生


愁サイド

今日は学校での健診。
小児科分野な訳ではないけど、来る予定だった小児科の同期が来れなくなり、代わりに来た。

やっぱり子供達は病院嫌いな子が多いな。うまく子供達を宥めながら検診を進める。

次のクラスの先生と子供達が教室に入ってきた。先生が先頭に入ってきたけど、子供達の誘導で俺たちには後ろ向きだから顔は見えない。

けどあの小さくて細くて華奢な体の後ろ姿。…まさかとは思うけどすごく見覚えがある気がした。

そしてこっちを振り向いた瞬間、やっぱり美奈だ。美奈も俺を見て目を大きくして驚いてる。まさか幼馴染の俺が医者になってるなんて思わないよな。昔から可愛くて有名だったけど、大人になった今もさらに化粧もして髪も染めて可愛くなってる。

美奈のクラスの子どもたちの健診をしながら、美奈のことも観察していると面白い。子供たちを診察してるのに、まるで自分が診察されているかのように診察をみては怯えて泣きそうな顔をしている。笑

昔から医者嫌いで、通院嫌がったり、入院中病院を抜け出したり、もう亡くなった美奈の母さんもお手上げなほどだったのを思い出すけど、今も変わらなそう。

けど美奈が学校の先生になってるのは驚いた。子供達が先生先生と近寄って行くのを見て、子供達に好かれてるのが伝わる。そしてちゃんと子どもに寄り添った会話をしていて、あんな小さかった美奈も大人になったんだなと実感する。

一つ心配なのは昔から華奢な体だったけど、大人になった今もさらに痩せたような気がすること。顔色もあんまり良くない。

病気のこともあるし、もう少し話をしたかったけど、次のクラスが来たこともあって逃げるように戻っていってしまった。

美奈が施設に行ってから全く会っていなくて、連絡先も知らない。連絡先だけでも聞けばよかった…