好きになったのは大嫌いな先生



あっという間に自分たちのクラスの順番が来て専用の教室へ移動。ドキドキそわそわしてる子供達をみんな部屋の中へ誘導した。

「みんなちゃんと揃ってるー??」

「いるよー!」

そんな返事が帰ってきて、準備完了。
さてと、気合を入れて今日お世話になる医師の方をみてみると…

「…えっ…しゅう…くん!?」

「美奈、久しぶりだね」

そこには何年振りかに会う、8歳年上の幼馴染の愁くん。お母さんが亡くなる前に住んでいた実家が隣で、産まれてからよく遊んでもらっていた頼れるお兄ちゃんのような存在。お母さんが亡くなって施設に入ってからはぱったりと会っていなかった。

まさかこんな形で再開するの!?しかも、今は私の大っ嫌いなお医者さんになってるってこと!?

久々の再会に私の頭の中はフリーズ。

「みな先生どうしたのー??知ってる人??」

急に動かなくなった私を見て心配する子供達。

「…あっ…ごめんごめん!なんでもないよ。…そしたら、今日お世話になる病院の先生にみんなで挨拶しようね。今日はよろしくお願いします」

「お願いしますっ!!!」

子供達の元気な声が響き渡る。
愁くんが先生ってことに動揺して、落ち着かせていた心が焦りだし、心臓がバクバクする。子供達が診察を受けるだけで、別に私はなにもしないのに。

このドキドキは自分の体調の悪さがあるから。秀くんと目が合うと色々と見透かされるような気がして、必死に子供達へと意識を移して平然を装った。