好きになったのは大嫌いな先生



愁サイド

今日は美奈が病院に来る日。
本当は朝の俺の出勤の時に一緒に連れてこようと思ってたけど、美奈が朝から職場に行きたいらしく、自分1人で病院に来ると言い張って、悩んだ末信じてみることに。

予定の時間を1時間過ぎても来なくて、忙しい外来の合間を縫ってLINEをしたらちょうど着いたみたいだった。

受付から美奈が来たとの報告を受けて、診察の区切りのいいところで美奈のもとへ行くと、相変わらず顔色のがよくない美奈。

俺の姿を一瞬見たけど、震える手でカバンを必死に握りしめて目を逸らされた。

そりゃ緊張するよな。あんだけ病院嫌いな美奈が自分から頑張って1人で病院にきたんだもん。ポロポロと静かに涙を流してるのを見て、こちらも心が揺らぐ。

けど、ここは医者として美奈の感情には流されないようにしっかりしないと。

自分の中で医者のスイッチをしっかりと入れて、問診をして病棟へ送り出した。

外来が忙しくてまだ病棟には一緒に行かないと言ったら、明らかなに不安そうな表情になったけど、すぐに作り笑顔で頑張ってなんて言ってくれて…

本当に美奈は感情が隠さないから、不安で怖くてたまらないっていうのがバレバレ。

早く午前の外来終わらせて見に行ってあげないと。