「どのくらい?」
「うーん、このくらい?」
私は両手を少しだけ広げてみせた。
千影くんの腕の中だから、たいして広げられなかったけれど。
「……それじゃあ、分かんないよ」
千影くんは不満そうに眉をひそめ、さらに距離を詰めてくる。
鼻先が触れ合いそうな距離。息がうまく吸えない。
「じゃあ、どうすればいいの?」
「亜子ちゃんからキスして。長くて深いの」
「なっ……!?」
心臓がバックバクと警報を鳴らし始める。
ただでさえ朝から刺激が強すぎるのに、「長くて深いの」なんて、そんな破廉恥なこと、私にできるわけない!

