恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

「……お前、誰に口きいてんの?」
迅さんがそう口にした瞬間、颯さんは一歩後に下がる。
凪くんは私の手を引き、颯さんの元に向かった。
「……颯くん」
颯さんは、凪くんを刺すような視線で見る。
「なに?」
「今後、美月に関わって欲しくないから」
「なに?そんなに俺が怖いわけ?」
凪くんは、颯さんをじーっと見つめた。
「……うん。怖い」
颯さんは、目を丸くして凪くんを見たままぴくりとも動かない。
「だから、今日で美月に関わるのは最後にしてくれる?」
「なんで?」
「なんでって、何が?」
「だって、あんたなら女なんてよりどりみどりだろ?」
「うん。それが何?」
「別に誰でも良くね?」
凪くんは悲しそうに下を向いた。
「……僕、美月じゃなきゃ嫌だもん」
迅さんが凪くんに近付き、頭を撫でる。
「……というか、散々苦しめた事くらい理解してるよな?」
凪くんは上目遣いで迅さんを見つめた。
「僕、大丈夫だよ?
……ところで、颯さんは彼女いるんでしょ?」
颯さんは小さく頷いた。
「なら余計に美月に関わらないでくれる?大丈夫なら、指切りしよう?」
そう言って、小指を立てて差し出した。
「……意味分からない」
颯さんは頭を抱えて座り込んだ。
「なんで、そんなに人を好きになれるんだよ?」
「美月の事。子供の時に一目惚れしてから、ずっと好きだよ」
凪くんは遠くを見つめながら、唇を動かした。
「だからさ、余計に邪魔されたくないの」
「……独占欲かよ」
「……うん」
颯さんは気怠そうに立ち上がる。
「……分かったよ。
ただ、最後に美月と喋らせて」
「……僕の目の前でお願い」
「……はいはい」
颯さんは私の元まで歩いてくると、頭を軽く下げた。
「……顔に傷を付けてごめん。それだけ」
              

                 END