恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

スマホをポケットにしまうと、凪くんに視線を向ける。目の周りがじんわりと赤くなり、表情がない。
何かが胸につかえて、言葉が出ない。
私の腕に当たる凪くんの腕の感触だけが、ギリギリ私達を繋いでいるような気がして苦しい。
凪くんがギュッと、腕に身体を寄せてきた。
「……とりあえず、一口でも食べねえ?」
迅さんは溜め息を付いて、立ち上がる。
そのまま袋の中を漁ると、ミネラルウォーターを二本取り出した。
「……水分だけでもいいから」
凪くんと同時に、水を受け取る。
キャップを開けると、口を付けた。
乾いていた口内に、水分が広がる。
「……お前ら、世話掛かる」
迅さんはそんな事をぼやきながら、少しだけ安心したように目を細めた。
「……今日は、早退しねえ?」
学校に居るのも限界だ。
私が首を縦に振ると、凪くんも頷いた。
凪くんと教室に戻り、早退することを伝えた。
◇◇◇
部屋の鍵を開けて中に入ると、リビングに向かう。
今日は颯さんと話をしなきゃいけない。
そう考えるだけで、息が苦しい。
ソファーに座ると、身体が深く沈むような感覚に襲われた。
意識が沈みそうになる中に見たのは、タオルケットを掛けてくれた迅さんの姿だった。