凪くんが静かに、その場を立ち上がる。
「……迅」
迅さんは溜め息を漏らし、私から離れて両手を上げる。
凪くんが、迅さんに向かい走り出した。
「……まじかよ」
凪くんは迅さんの脇腹に足を振り上げる。
迅さんはその足を受け止めた。
「……まじ、痛え」
「……離せ」
「……頼むって」
「……美月になにしてんの?」
「……お前を再起動するためだって」
凪くんは、目を丸くして周りを見渡した。
「あ、ごめん。 ……でもさ、美月に触らないでくれる?」
迅さんは、溜め息をついて頭を掻いた。
「他にどうしろと?」
「知らない」
「で、呼び出した理由は?」
「あっ!」
凪くんは両手をぱちんと叩いた後に、迅さんの肩に手を置いた。
「颯って知ってる?」
迅さんは首を傾げる。
「……誰?」
「多分、三年」
「調べとく」
「お願い」
「で、なんで屋上駄目になったの?」
「颯に付き纏われてるんだよ」
迅さんは、チラッと私を見てから凪くんに視線を戻した。
「誰が?」
私は居ても立ってもいられず、その場を立つ。
「……私が中途半端な態度で接してしまったから」
迅さんは、手でおでこを覆い瞼を伏せた。
「……そういう事ね。俺は、そろそろ授業戻るわ」
迅さんは、凪くんの頭を撫でて一階に降りた。
「……皆に迷惑掛けてごめんなさい」
凪くんが私を抱き締めて、互いのおでこをコツンと当てる。
視線が重なり、二人だけの世界に落とされた。
「美月だけが悪い訳じゃないし」
反省しなきゃいけないのに、凪くんの事ばかり見てしまう。
「もう、曖昧な事はしません」
「そうして。じゃないと、頭おかしくなる」
凪くんは眉をハの字にして、目線を下げる。
今にも泣いてしまいそうで、胸がギュッと締め付けられた。
「私、多分。誰かに嫌われるのが怖いんです……」
浅く長く息を吸う。
「だから、誰にも失礼にならないようにって動いてました」
自分が凪くんにした事は——
「でも、私の一番大切なのは凪くんだから、凪くんを一番大切にしたいです」
凪くんが私を包み込む。
「……ありがとう」
その熱が。
匂いが。
私の求めている人だと分かる。
「……迅」
迅さんは溜め息を漏らし、私から離れて両手を上げる。
凪くんが、迅さんに向かい走り出した。
「……まじかよ」
凪くんは迅さんの脇腹に足を振り上げる。
迅さんはその足を受け止めた。
「……まじ、痛え」
「……離せ」
「……頼むって」
「……美月になにしてんの?」
「……お前を再起動するためだって」
凪くんは、目を丸くして周りを見渡した。
「あ、ごめん。 ……でもさ、美月に触らないでくれる?」
迅さんは、溜め息をついて頭を掻いた。
「他にどうしろと?」
「知らない」
「で、呼び出した理由は?」
「あっ!」
凪くんは両手をぱちんと叩いた後に、迅さんの肩に手を置いた。
「颯って知ってる?」
迅さんは首を傾げる。
「……誰?」
「多分、三年」
「調べとく」
「お願い」
「で、なんで屋上駄目になったの?」
「颯に付き纏われてるんだよ」
迅さんは、チラッと私を見てから凪くんに視線を戻した。
「誰が?」
私は居ても立ってもいられず、その場を立つ。
「……私が中途半端な態度で接してしまったから」
迅さんは、手でおでこを覆い瞼を伏せた。
「……そういう事ね。俺は、そろそろ授業戻るわ」
迅さんは、凪くんの頭を撫でて一階に降りた。
「……皆に迷惑掛けてごめんなさい」
凪くんが私を抱き締めて、互いのおでこをコツンと当てる。
視線が重なり、二人だけの世界に落とされた。
「美月だけが悪い訳じゃないし」
反省しなきゃいけないのに、凪くんの事ばかり見てしまう。
「もう、曖昧な事はしません」
「そうして。じゃないと、頭おかしくなる」
凪くんは眉をハの字にして、目線を下げる。
今にも泣いてしまいそうで、胸がギュッと締め付けられた。
「私、多分。誰かに嫌われるのが怖いんです……」
浅く長く息を吸う。
「だから、誰にも失礼にならないようにって動いてました」
自分が凪くんにした事は——
「でも、私の一番大切なのは凪くんだから、凪くんを一番大切にしたいです」
凪くんが私を包み込む。
「……ありがとう」
その熱が。
匂いが。
私の求めている人だと分かる。



