恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

「……僕だけが、美月の事を好きなのかと思っていた」
その声は震えている。
なのに、驚く程優しかった。
「え、私。凪くんの事大好きですよ?」
「本当?」
「……はい」
「……もう一回していい?」
答える前に凪くんの顔が近付いてきて、唇が合わさる。
気付いたら頬を熱い涙が伝っていた。
凪くんの肩に手を回し、ぎゅっと力を込める。
凪くんのスマホが震える音が、遠くで聞こえた気がした。
どれくらいそうしていただろう。
やっと離れたけど、未だに凪くんを直視出来ない。
「……さっき、スマホ鳴ってませんでしたか?」
「……多分、迅」
「えっ!出て下さい!!」
「……うん」
凪くんはぼんやりしたまま、スマホに手を伸ばす。
呼び出し音が微かに聞こえて、迅さんの声が聞こえた。
「……呼び出しといて、無視かよ」
「……ごめん」
「……今、何処居るの?」
「……うん」
「……人の話聞いてる?」
「……うん」
なんだか変だ。私は、凪くんの後ろに移動すると大きく息を吸った。
「迅さん!今、体育館の二階にいます!」
「美月ちゃん。ありがとう」
その、数分後に体育館の一階に迅さんの姿が見えて手を振る。
すぐに迅さんは、二階に上がって来て凪くんの肩を叩く。
「凪?」
「……うん」
迅さんの視線が私に移動する。
「美月ちゃん。凪、なんかあった?」
さっきの事を思い出し、顔が熱を持つ。
「……あの」
「……うん」
さっきの事を説明なんて無理だ。
「……凪くん、喧嘩強いんですね」
「……」
「……お前ら何かあった?」
迅さんは、ゆっくりと私に近付いて来る。
そして私を抱き締めた。