恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

屋上の扉を開けて、階段を降りていく。
「……凪くん。凄いですね」
「……屋上気に入ってたけど、また颯さん来るよね?」
「……多分」
「……迅にメッセージしとくか」
「……ですね」
「……あのさ」
「はい?」
「……もう少し、二人きりになれない?」
凪くんは視線を逸らし、耳まで真っ赤だ。
鼓動が早まって息が苦しい。
「……二人っきりになりたいです」
「屋上の代わりになりそうな場所見つけにいこう〜」
凪くんに手を引かれる。
歩く速度が少しだけ早まった。
「行きましょう!」
校内を歩き回り、最後に着いた場所は体育館。
中に入ると意外に静かだ。
顔を上げると、二階の観客席が見えた。
そこを、凪くんと同時に指差し顔を見合わせて笑う。
「美月も良いって思った?」
「同じですね!」
「いこっ!」
早足で観客席に向かうと、ベンチに腰掛ける。
「迅にメッセージしてもいい?」
「はい!」
凪くんは私の手を握ったまま、片手で器用にスマホを操作する。
私は凪くんから目が離せない。
メッセージを打つ姿は真剣で男らしさを感じる。少し乱れた銀色の髪に形の良い唇。
一瞬、ユリさんに抱き締められている凪くんの姿が浮かぶ。
気が付くと、凪くんに抱き付いていた。
凪くんの動きが、ピタリと止まる。
私は、変なのかも知れない——
気が付くと凪くんの唇に、自分の唇を重ね合わせていた。
自分でしておいて、急に顔が熱くなる。
少しだけ距離を離すと、下を向いた。
「……いきなり、ごめんなさい」
「……あっ、あ。大丈夫」
凪くんが私をぎゅっと抱き締め直す。