「あ……」
小さく声が漏れて、口を塞ぐ。
目の前の扉がゆっくり閉まっていく。
閉まる途中で凪くんが顔を上げて、視線が重なる。
扉が閉まった。
光は遮断され、薄暗い空間に膝から崩れ落ちた。
さっきの光景が脳内で繰り返される。
扉が開いて、薄暗い空間に光が差し込んだ。
銀色の髪の凪くんは天使みたいに綺麗だった。
「……凪くん」
凪くんは私を優しく抱き締めた。
匂いも、体温も、もう感じる事は無いと思っていた。頬を涙が伝い続ける。
「……ヤキモチばかりで、ごめん」
「……私こそごめんなさい」
次の瞬間、ドアが開きユリさんが出てきた。
ユリさんの視線がこちらに向く。
「……先、帰るね」
それだけ言うと、階段を降りていく。
ユリさんの目は腫れていた。
「……行こ」
凪くんに手を引かれ、屋上へ移動する。
扉が閉まると、冷たい風が頬を撫でた。
さっきまで締め付けられていた胸が、ほんの少しだけ緩んだ。
音の無い時間が続く——
凪くんはフェンスに寄り掛かり、崩れ落ちた。そこに、一歩、一歩近付く。
そして、向かい合うようにして腰を下ろした。
両手を膝に置いて項垂れている、凪くん。
その指先は微かに震えていた。
勢いよく視線を上げると、凪くんの目の周りと鼻先が赤く腫れている。
「……弱くてごめん」
凪くんは絞り出したような声で、そう呟いた。
手を伸ばして、凪くんの手を包み込む。指先は氷のように冷たい。
小さく声が漏れて、口を塞ぐ。
目の前の扉がゆっくり閉まっていく。
閉まる途中で凪くんが顔を上げて、視線が重なる。
扉が閉まった。
光は遮断され、薄暗い空間に膝から崩れ落ちた。
さっきの光景が脳内で繰り返される。
扉が開いて、薄暗い空間に光が差し込んだ。
銀色の髪の凪くんは天使みたいに綺麗だった。
「……凪くん」
凪くんは私を優しく抱き締めた。
匂いも、体温も、もう感じる事は無いと思っていた。頬を涙が伝い続ける。
「……ヤキモチばかりで、ごめん」
「……私こそごめんなさい」
次の瞬間、ドアが開きユリさんが出てきた。
ユリさんの視線がこちらに向く。
「……先、帰るね」
それだけ言うと、階段を降りていく。
ユリさんの目は腫れていた。
「……行こ」
凪くんに手を引かれ、屋上へ移動する。
扉が閉まると、冷たい風が頬を撫でた。
さっきまで締め付けられていた胸が、ほんの少しだけ緩んだ。
音の無い時間が続く——
凪くんはフェンスに寄り掛かり、崩れ落ちた。そこに、一歩、一歩近付く。
そして、向かい合うようにして腰を下ろした。
両手を膝に置いて項垂れている、凪くん。
その指先は微かに震えていた。
勢いよく視線を上げると、凪くんの目の周りと鼻先が赤く腫れている。
「……弱くてごめん」
凪くんは絞り出したような声で、そう呟いた。
手を伸ばして、凪くんの手を包み込む。指先は氷のように冷たい。



