「あ、いたいた」
そう声が聞こえて、振り返ると颯さんが立っていた。
「さっきの話の続きしよ」
正直、今は誰かと居た方が楽だ。
楽な方楽な方にと流れてしまう、自分が嫌だ。
「……はい」
「……で、小さな時の嫌な記憶思い出した?」
今、凪くんは何をしているんだろう。
「……今は、思い出せません」
颯さんが私の頭に軽く手を乗せた。
「無理しないでも大丈夫だからね」
周りに人気が消えると、颯さんが私を抱き締める。
私は、何をしているのだろう。
「距離、近すぎです」
颯さんの身体を押し返して、一歩後に下がる。
「そうかな?」
「私、大事な用事思い出したのでまた今度」
「次の授業終わったら、迎えに来る」
勢い良く走り出す。
息が苦しいのに、足は止まらない。
向かった場所は屋上に続く階段。
階段を上がりたいのに、足がすくんで動けない。そのまま時間だけが過ぎて、授業の始まりを知らせるチャイムの音が鳴った。
もしかしたら、二人とも教室に戻っているかも知れない。
期待して、教室の前まで戻る。
でも、二人の席は空いたままだ。
急いで引き返し、階段を登り始める。
一歩、一歩が鉛のように重い。
『もしも』が頭の中で暴走して、逃げたくなってしまう。
後はこの扉を開けるだけ——
震える手を伸ばし、扉を開けた。
薄暗い空間に太陽の光降り注ぎ、反射的に目を閉じる。
ゆっくりと目を開くと、ユリさんが凪くんを抱き締めていた。
そう声が聞こえて、振り返ると颯さんが立っていた。
「さっきの話の続きしよ」
正直、今は誰かと居た方が楽だ。
楽な方楽な方にと流れてしまう、自分が嫌だ。
「……はい」
「……で、小さな時の嫌な記憶思い出した?」
今、凪くんは何をしているんだろう。
「……今は、思い出せません」
颯さんが私の頭に軽く手を乗せた。
「無理しないでも大丈夫だからね」
周りに人気が消えると、颯さんが私を抱き締める。
私は、何をしているのだろう。
「距離、近すぎです」
颯さんの身体を押し返して、一歩後に下がる。
「そうかな?」
「私、大事な用事思い出したのでまた今度」
「次の授業終わったら、迎えに来る」
勢い良く走り出す。
息が苦しいのに、足は止まらない。
向かった場所は屋上に続く階段。
階段を上がりたいのに、足がすくんで動けない。そのまま時間だけが過ぎて、授業の始まりを知らせるチャイムの音が鳴った。
もしかしたら、二人とも教室に戻っているかも知れない。
期待して、教室の前まで戻る。
でも、二人の席は空いたままだ。
急いで引き返し、階段を登り始める。
一歩、一歩が鉛のように重い。
『もしも』が頭の中で暴走して、逃げたくなってしまう。
後はこの扉を開けるだけ——
震える手を伸ばし、扉を開けた。
薄暗い空間に太陽の光降り注ぎ、反射的に目を閉じる。
ゆっくりと目を開くと、ユリさんが凪くんを抱き締めていた。



