「美月ちゃん、また話そう」
颯さんは手を振り、何処かに行ってしまった。
凪くんは私の手を引いて、歩き出す。
てっきり、教室に行くと思っていた。でも、向かっている方向は逆だ。
「……あの」
「……」
凪くんは私をチラリと見ただけで、言葉を発さない。
屋上に続く階段を上がっていく。私は、口を開く勇気もないまま付いて行く。
階段を上る足音だけが、やけに大きく聞こえた。
屋上に着いた瞬間、凪くんが私を引き寄せて後頭部を手で押さえた。
そのまま、顔が近付いて来る。
私は、両手で凪くんの胸を押さえた。
「……嫌です」
凪くんの事が嫌いな訳じゃ無い。
ただ、今は嫌だ。
それだけなのに——
「……颯には許すのに?」
「……え?」
「……何で、彼氏意外の男に抱き締めさせるの?」
凪くんの力が抜けて、その場に崩れ込んだ。
言葉が出ない。
風が吹いて、スカートがぱたぱたと揺れた。
「……美月」
「……はい」
「……僕の質問に答えて」
「……ごめんなさい」
それしか、言葉が出ない。
「……なんで、謝るの?」
凪くんは頭に両手を置いたまま、下を向いてピクリとも動かない。
「……ごめん。一人にして」
その声は、明らかに震えている。
私にはどうする事も出来ずに、扉を開けた。
最後に凪くんを視界で捉えて、扉を閉める。
颯さんは手を振り、何処かに行ってしまった。
凪くんは私の手を引いて、歩き出す。
てっきり、教室に行くと思っていた。でも、向かっている方向は逆だ。
「……あの」
「……」
凪くんは私をチラリと見ただけで、言葉を発さない。
屋上に続く階段を上がっていく。私は、口を開く勇気もないまま付いて行く。
階段を上る足音だけが、やけに大きく聞こえた。
屋上に着いた瞬間、凪くんが私を引き寄せて後頭部を手で押さえた。
そのまま、顔が近付いて来る。
私は、両手で凪くんの胸を押さえた。
「……嫌です」
凪くんの事が嫌いな訳じゃ無い。
ただ、今は嫌だ。
それだけなのに——
「……颯には許すのに?」
「……え?」
「……何で、彼氏意外の男に抱き締めさせるの?」
凪くんの力が抜けて、その場に崩れ込んだ。
言葉が出ない。
風が吹いて、スカートがぱたぱたと揺れた。
「……美月」
「……はい」
「……僕の質問に答えて」
「……ごめんなさい」
それしか、言葉が出ない。
「……なんで、謝るの?」
凪くんは頭に両手を置いたまま、下を向いてピクリとも動かない。
「……ごめん。一人にして」
その声は、明らかに震えている。
私にはどうする事も出来ずに、扉を開けた。
最後に凪くんを視界で捉えて、扉を閉める。



