恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

凪くんの話をしてる時は楽しかった。
「……ふーん」
マンションに着くと、エントランスの扉を開ける。
部屋に戻ると迅さんが帰ってきていた。
「さっき戻った」
「……そう」
凪くんは、なんだか変だ。
「……二人で出掛けてた?」
「……うん」
迅さんはコーヒーを飲んで溜め息をつく。
「……凪、俺部屋に戻るけど、あんまり暴走するなよ?」
「分かってる」
「……信じてる」
迅さんは凪くんの頭をぽんとすると、部屋に戻ってしまった。
「……美月」
「……はい」
「……今日、何話したの?」
ちょっと、恥ずかしいけど。
「……凪くんの好きな所のお話をしました」
凪くんは目を丸くしてこっちをみている。
少し嬉しそうに見えて安心する。
「……他には?」
「……え」
「……他には、何話したの?」
「そう言えば、颯さんが——」
そう言った瞬間、凪くんの雰囲気がガラリと変わる。
凪くんは自分の頭に手を置いて、銀色の髪を鷲掴みにした。
「……今、そいつの名前出す必要ある?」
凪くんの周りの空気が変わる。
もしかしたら凪くんは、颯さんが苦手なのだろうか。
そんな事を考えていると、ポケットに入れていたスマホが、震えた。 
取り出し、画面を確認するとユリさんだ。
嬉しくて、頬が緩んだ。
返事を返して顔を上げる。
視線を感じて横を見たら、凪くんと目が合った。
凪くんはソファーの上に足を持ち上げ、体育座りをして俯いた。