「……俺、帰る」
颯さんはそれだけ言うと、どこかに行ってしまった。
カップに入ったかき氷は溶けて、緑色の液体になっている。
それを、一気にストローで吸い込んだ。
ぬるい甘さが口内に纏わりつく。
「……美月。帰ろうか」
「……はい」
凪くんは、それだけ言うと私の手からカップを取った。そのままゴミ箱に向かい、捨てる。
不安を感じていると、凪くんの手が差し出された。すぐに手を取ると、空を見上げる。
赤く染まっている、不気味な空に飲み込まれてしまいそうだ。
私達はマンションに向かい歩き出した。
「……美月」
「……はい」
「…………」
凪くんの声は、横を通った車のエンジン音で掻き消された。
「あの、今の聞こえなかったです」
風が吹いて、凪君の髪がふわりと揺れた。
「……今日、午前中何してたの?」
目の奥が笑っていない——
「……少し話をしてました」
凪くんの話で惚気ていたのを知られるのは、少し恥ずかしい。
「……そう。楽しかった?」
「……多分」
凪くんの話をしてる時は楽しかった。
颯さんはそれだけ言うと、どこかに行ってしまった。
カップに入ったかき氷は溶けて、緑色の液体になっている。
それを、一気にストローで吸い込んだ。
ぬるい甘さが口内に纏わりつく。
「……美月。帰ろうか」
「……はい」
凪くんは、それだけ言うと私の手からカップを取った。そのままゴミ箱に向かい、捨てる。
不安を感じていると、凪くんの手が差し出された。すぐに手を取ると、空を見上げる。
赤く染まっている、不気味な空に飲み込まれてしまいそうだ。
私達はマンションに向かい歩き出した。
「……美月」
「……はい」
「…………」
凪くんの声は、横を通った車のエンジン音で掻き消された。
「あの、今の聞こえなかったです」
風が吹いて、凪君の髪がふわりと揺れた。
「……今日、午前中何してたの?」
目の奥が笑っていない——
「……少し話をしてました」
凪くんの話で惚気ていたのを知られるのは、少し恥ずかしい。
「……そう。楽しかった?」
「……多分」
凪くんの話をしてる時は楽しかった。



