恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

目を開けると景色が違う。
脱衣場に向かい、顔を洗う。
鏡の中の私が変わった感じがするのは、気のせいだろうか。
リビングに続く扉を開けると、焼き立てのパンの匂いが食欲を刺激する。 
「……おはよう」
キッチンに立っていたのは、迅さん。
「あ、おはようございます」
「……悪い。面倒な役、頼んでいい?」
「……大丈夫です」
迅さんは、少し考えたような表情を浮かべた。
「……凪。寝起き悪いけど、起こせる?」
「……あ、はい」
凪くんの部屋へ向かう。
三度ノックしても返事はない。
「おじゃまします」
そっと中へ入ると、ベッドに近付く。
凪くんはタオルケットに包まれて、スヤスヤと眠っている。
銀色の髪。
睫毛の影。
白い肌。
息を飲むほど綺麗だ。
「凪くん。起きて下さい」
寝顔に見惚れながら、そう口にする。
凪くんの肩に手を伸ばし、そっと揺する。
「んーーっ」
凪くんが薄目を開けて、私をボーッと見ている。
「起きましたか?朝ですよ?」
一瞬だった。
眠ったままの凪くんが私の腕を掴む。 「きゃっ……!」 視界がぐらりと揺れ、私はそのままベッドへ倒れ込んだ。