恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

「え、男?」
「……男だけど、なに?」
「女の子だったら歓迎なんだけどさ〜」
「……別に歓迎されたくないから、美月の手離して」
再度笑い声が響く。
「女の子の前でいい格好したいのは分かるけど、無理がない?」
そう言った瞬間、凪くんの空気がガラリと変わる。
「……カウントするから、離して」
「……3」
凪くんがゆっくりと数字を数え始める。
「ウケる〜」
「……2」
「早く連れて行こう〜」
そう言って、私の手を引っ張った瞬間だった。
「……反則だし」
凪くんのシルエットが動き出して、宙に舞う。
ぼんやりした視界の中、凪くんを目で追った。
目の前の男の頭部に凪くんの足が当たり、引っ張られていた力が弱まる。
私は手を振り払い、ゆっくりと後に下がる。
男はぐらりと揺れて、膝を付いた。