恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

ベンチから立ち上がった瞬間、腕を強く掴まれた。怖い。
「……離して下さい」
「離して下さいだって!」
「こういう雰囲気もたまには有りかも!」
変なテンションの笑い声。
逃げなきゃ——。
そう思った瞬間、眼鏡を取られた。
視界がぐにゃりと歪む。
「……眼鏡!返してください!」
「眼鏡取ったらめちゃくちゃ可愛いくない!?」
「やばい。好み!」
「なんでも、奢るから遊ぼうよ!」
「……」
声が出ない。
「俺の車すぐそこだから、行こうよ!」
そう、声が聞こえて血の気が引いた瞬間だった。
「……なにしてるの?」
凪くんの声が聞こえ、顔を上げた。
凪くんらしきシルエットがぼんやり見える。
でも、迅さんの姿は見当たらない。