恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

凪くんが私に視線を移す。
「……行こうか」
「……はい」
ゆっくりと歩き下駄箱に向かう。
迅さんが、心配そうな表情で手を振った。
手を振り返し、ローファーに履き替える。
傘を開くと、三人並んで歩き始めた。
十分も歩かないうちに、背の高いマンションが見えてくる。
「やっぱり近いですね」
「近さで選んだからね」
迅さんは話しながら、凪くんをチラチラ見ている。
マンションの中に入ると、エレベーターの前で足を止めた。
「郵便物見てくるから、先に行ってて」
迅さんはそれだけ言うと、どこかに行ってしまった。
エレベーターの扉が開き、中に入る。
なんか話さなきゃ——
オレンジ色で表示された、数字がどんどん上がっていく。
「……凪くん」
そう声にした瞬間、エレベーターが大きく揺れた。