恋愛偏差値0.01。ー恋愛初心者溺愛されますー【完】

「この前は、凪くんが好きすぎて美月ちゃんをいじめちゃって……反省してます。だから、今は引きます!」
そう言って階段を上り始めたかと思うと、くるりと振り返る。
「でも、そのうち凪くんには振り向いてもらうので、よろしくね!」
ユリさんは言葉どおり、潔くその場を去って行った。
凪くんは、力が抜けたように肩を落とす。
「……美月との二人の時間がっっ」
そう呟いた瞬間、二時間目の終わりを告げるチャイムが校内に鳴り響いた。
凪くんは、さらに肩を落とす。
「あと、授業二回受けたらお昼ご飯です!」
私はそう声を掛けると、凪くんは少しだけ元気を取り戻したように笑った。
お昼ご飯の時間になるのは、過ぎてしまえばあっという間だった。
いつも通り、屋上へ続く扉を開ける。
ふわりと吹いた風が、頬を優しく撫でた。
迅さんの近くに腰を下ろすと、凪くんは私の隣に座った。
毎日変わらない、この時間が好きだ。
バッグからお弁当袋を取り出し、凪くんへ渡す。いろいろありすぎたせいか、さっきまで顔色の優れなかった凪くんの表情が、ぱっと明るくなった。
凪くんがお弁当箱を開けると、ケチャップの甘い香りがふわりと鼻先をくすぐった。